大学院民訴レジュメ

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訴訟承継 unit 22

Q1 訴訟承継主義とはどのようなものか
訴訟係属中、実体関係の変動の結果、訴訟物について当事者の有する適格が第三者に移転したことによって、その第三者(承継人)が従前の当事者に代わって、あるいは従前の当事者とともに、訴訟を引き受くべきであるとする考えのこと。
 1)Zに及ぶ。
既判力は、訴訟物に関する確定判決中の「当事者がもはや争うことを許さないとする
判断」の通用力または拘束力のことをいう。もっとも115条1項は、3号で口頭弁論終結後の承継人、4号で請求の目的物を、当事者やその承継人のために所持している者にも及ぶと規定している。ZはY1から、その一部を賃借しているのであるから、当事者のために所持している者にあたるかという問題が生ずる。賃貸人は自己の固有の権利にもとづき占有しているとの解釈から、当事者のために占有しているものに当たらないと解するのが通説である。(ちなみに実務では通常この者に対しても訴えが提起されるので、問題は生じない。)承継の問題ではなく、既判力の主観的拡張の問題と考えてもよいが、もちろんZもまた当事者適格があると考えて承継させるべきであり、それをしなければ、Zに既判力は及ばないと構成するべきであろう。
 2)訴訟承継主義とは、当事者恒定主義に対置する言葉で、実体関係の変動があって、訴訟物について当事者の有する適格が第三者に移転しても、その第三者に訴訟の承継を認めないとする当事者恒定主義に反対して訴訟の引受け(承継)を認めようとする主張のことをいう。
 口頭弁論終結前の承継人について訴訟承継主義をとれば、訴訟はこの新たな第三者に承継されなければならず、それを過誤して訴訟を続ければ、承継原因の発生した瞬間に在来の当事者は争いの主体たる利益すなわち追行権を喪失するから、彼のその後の関与は承継人に対してはまったく無意味なことになる(配布資料471頁右第2パラ)。
 処分禁止の仮処分がある。
 3)まず、考えられるのが、当事者恒定主義を一定の範囲で認めることである。すでに1)で述べたように、115条5号の解釈を広くとり、当事者のために目的物を所持している者に該当することで解決が図られる。次に訴訟告知を利用してZにも判決の効力がZにも及ぶことを担保しておくことも考えられるが、そのためにはZに補助参加人としての地位と、参加的効力が及ぶとの法の解釈が必要であるが、これは可能であろう。そして最後にZに引受けを申立てることであるが、これは解釈論ではないであろう。

Q2 訴訟承継の手続はどのようになっているか
@当然承継の場合:原因は、訴訟手続の中断・受継の規定から導出される(124条1項各号)*当事者の死亡、法人の合併、当事者の訴訟能力の喪失、法定代理人の死亡、代理権の消滅、受託者の信託の任務終了、など
 手続の中断をともなうときは、受継申立を受け審査をする。
 中断を伴わない場合(訴訟代理人がいる場合:124条2項)、判決に承継人が当事者として表示される。
@参加承継の場合は、権利承継人の場合、引受承継は義務承継人の場合を前提としているが、義務承継のあった場合に義務承継人が自ら進んで参加する(参加承継する)ことも、権利承継人の相手方が承継を引き受けてする引受承継もありうるとするのが通説・判例であり、旧73条旧74条を引き継いだ51条でこの点については、立法上も確認された。  
 承継原因:実体関係において特定承継があったこと。権利の譲渡などの場合だけでなく、代位や執行処分(執行売却・転付命令)でもよい。紛争の主体たる地位の移転があることが要件である:土地賃貸借契約終了を理由とする建物収去土地明渡訴訟の係属中に、被告がその所有する建物を第三者に賃貸占有させた事案において、訴訟引受を認めた判例がある(最昭41.3.22)
 承継後は、新当事者は、前当事者の訴訟状態の地位を引き継ぐ。

 1)申立ての趣旨において、Zに対する訴状を書くのと同じように「請求の趣旨」「請求の原因」を記載しておく必要がある。Zが訴訟を承継する(当事者となる)のであるから、当然であろう。
 2)XがZに対して建物退去を申立てる。
 3)被告が権利を譲り受けた第三者に債務不存在確認の請求をするのと同じである。

Q3 訴訟承継はどのような場合に認められるか
 訴訟承継は紛争の主体的地位が第三者に移動したときに認められる。

 1)XがY1に対して有する請求権は、建物収去、土地明渡であり、その根拠として賃貸借契約の解除による終了と所有権に基づくものとがあるが、Zに対しては土地所有権にもとづく建物明渡である。
 2)「紛争の主体的地位」とは、判例の事案に即していうならば、「第三者が土地賃貸人から係争建物の一部および建物敷地の占有を承継することによって、第三者の土地賃貸人に対する退去義務の存否に関する紛争という型態をとって、右両者間に移行し、第三者は当該紛争の主体たる地位を土地賃借人から承継したものと解される」ということである。
 実体法関係においては、土地所有者の賃借人に対する法的権利と建物の賃借人に対する法的権利は同じではないが、しかし、社会生活上の事実として紛争をみるとき、建物退去という大きな経済的損失の可能性のある者がもっとも訴訟追行に熱心であるという事実に鑑みて、紛争の主体と呼んだのであろう。当事者適格という従来の法律構成中心の思考から、観点が移動してきたといってもよいであろう。
 3)義務承継人に対して訴訟引受けの申立てをするのに予定されているのは、権利者側を予定していたと考えられる。けだし被承継人は48条の規定では権利者側の承継があったとき、被承継人は相手方の同意を得てその訴訟から脱退するとしており、義務承継人の訴訟引受けについては、50条で「裁判所は、(当事者の申立てにより)決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定しているのみで脱退についての規定はなく、当事者が誰かについては規定上明らかではないからである。
 もっとも①のように前主と承継人の間に承継の有無について争いがある場合に、裁判所が決定で決することが規定されていることに鑑みると承継人の前主による申立を認めてよい。手数料が異なるのは、権利主張者には訴えの利益があるからであり、義務の承継人には、いわば債務不存在確認の訴えとでも解さない限り申立て手数料が高額になることは考えられない。理由にはならないであろう。
 4)承継原因は訴訟要件かそれとも審判の内容かという問題であるが、従来の考え方に従えば、承継原因は訴訟要件である(裁判所が承継を認めるか否か決定で決する)。しかし、本件(unit22)のように、紛争の主体的地位の有無が問題になるとき、主体的地位は当事者を交えた審理を経なければ無利であると考えるとき、請求棄却判決がより現実的であろう。

Q4
 訴訟承継によって、訴訟状態は、従来の当事者から新たな当事者へと引き継がれるのが原則であるが、①承継人への請求の趣旨および請求の原因の範囲において、その訴訟物は従来の物とは別個である(連続性はあるにせよ:紛争の主体的地位の承継)から、その範囲内で変更される。また、手続保障の視点より、従来の当事者のなした自白やその他、馴れ合い的な訴訟行為に引受人は拘束されないと解すべきである。

1)請求共通説は、「引受承継により従来の当事者間の請求と共通の請求が引受承継人と相手方の間に当然に受け継がれる」とするから、従前の訴訟状態に拘束されると解されることが前提になっていると言えよう。条文上の根拠としては、たとえば49条の時効中断の効果があげられる。実質的にも、時効中断のような効果が認められないと不都合が生じる。
2)不都合な点は、地位継受の場合に、Zが前主の自白に拘束されるかといったときに問題となる。参加承継をした場合については、このような不都合は指摘されていないが、しかし、当事者の手続保障という面からは問題はないとは言い切れないであろう。訴訟状態への拘束について、そもそも請求提示説に立つとき、請求の趣旨および請求の原因が独自に定立されなければならないから、その拘束も緩やかなものとなる。
3)前述のとおり、拘束は当事者の手続保障の観点から緩やかに(承継人を拘束しないと)解すべきである。

訴訟承継

Q1 訴訟承継主義とはどのようなものか
訴訟係属中、実体関係の変動の結果、訴訟物について当事者の有する適格が第三者に移転したことによって、その第三者(承継人)が従前の当事者に代わって、あるいは従前の当事者とともに、訴訟を引き受くべきであるとする考えのこと。
 1)Zに及ぶ。
既判力は、訴訟物に関する確定判決中の「当事者がもはや争うことを許さないとする
判断」の通用力または拘束力のことをいう。もっとも115条1項は、3号で口頭弁論終結後の承継人、4号で請求の目的物を、当事者やその承継人のために所持している者にも及ぶと規定している。ZはY1から、その一部を賃借しているのであるから、当事者のために所持している者にあたるかという問題が生ずる。賃貸人は自己の固有の権利にもとづき占有しているとの解釈から、当事者のために占有しているものに当たらないと解するのが通説である。(ちなみに実務では通常この者に対しても訴えが提起されるので、問題は生じない。)承継の問題ではなく、既判力の主観的拡張の問題と考えてもよいが、もちろんZもまた当事者適格があると考えて承継させるべきであり、それをしなければ、Zに既判力は及ばないと構成するべきであろう。
 2)訴訟承継主義とは、当事者恒定主義に対置する言葉で、実体関係の変動があって、訴訟物について当事者の有する適格が第三者に移転しても、その第三者に訴訟の承継を認めないとする当事者恒定主義に反対して訴訟の引受け(承継)を認めようとする主張のことをいう。
 口頭弁論終結前の承継人について訴訟承継主義をとれば、訴訟はこの新たな第三者に承継されなければならず、それを過誤して訴訟を続ければ、承継原因の発生した瞬間に在来の当事者は争いの主体たる利益すなわち追行権を喪失するから、彼のその後の関与は承継人に対してはまったく無意味なことになる(配布資料471頁右第2パラ)。
 処分禁止の仮処分がある。
 3)まず、考えられるのが、当事者恒定主義を一定の範囲で認めることである。すでに1)で述べたように、115条5号の解釈を広くとり、当事者のために目的物を所持している者に該当することで解決が図られる。次に訴訟告知を利用してZにも判決の効力がZにも及ぶことを担保しておくことも考えられるが、そのためにはZに補助参加人としての地位と、参加的効力が及ぶとの法の解釈が必要であるが、これは可能であろう。そして最後にZに引受けを申立てることであるが、これは解釈論ではないであろう。

Q2 訴訟承継の手続はどのようになっているか
@当然承継の場合:原因は、訴訟手続の中断・受継の規定から導出される(124条1項各号)*当事者の死亡、法人の合併、当事者の訴訟能力の喪失、法定代理人の死亡、代理権の消滅、受託者の信託の任務終了、など
 手続の中断をともなうときは、受継申立を受け審査をする。
 中断を伴わない場合(訴訟代理人がいる場合:124条2項)、判決に承継人が当事者として表示される。
@参加承継の場合は、権利承継人の場合、引受承継は義務承継人の場合を前提としているが、義務承継のあった場合に義務承継人が自ら進んで参加する(参加承継する)ことも、権利承継人の相手方が承継を引き受けてする引受承継もありうるとするのが通説・判例であり、旧73条旧74条を引き継いだ51条でこの点については、立法上も確認された。  
 承継原因:実体関係において特定承継があったこと。権利の譲渡などの場合だけでなく、代位や執行処分(執行売却・転付命令)でもよい。紛争の主体たる地位の移転があることが要件である:土地賃貸借契約終了を理由とする建物収去土地明渡訴訟の係属中に、被告がその所有する建物を第三者に賃貸占有させた事案において、訴訟引受を認めた判例がある(最昭41.3.22)
 承継後は、新当事者は、前当事者の訴訟状態の地位を引き継ぐ。

 1)申立ての趣旨において、Zに対する訴状を書くのと同じように「請求の趣旨」「請求の原因」を記載しておく必要がある。Zが訴訟を承継する(当事者となる)のであるから、当然であろう。
 2)XがZに対して建物退去を申立てる。
 3)被告が権利を譲り受けた第三者に債務不存在確認の請求をするのと同じである。

Q3 訴訟承継はどのような場合に認められるか
 訴訟承継は紛争の主体的地位が第三者に移動したときに認められる。

 1)XがY1に対して有する請求権は、建物収去、土地明渡であり、その根拠として賃貸借契約の解除による終了と所有権に基づくものとがあるが、Zに対しては土地所有権にもとづく建物明渡である。
 2)「紛争の主体的地位」とは、判例の事案に即していうならば、「第三者が土地賃貸人から係争建物の一部および建物敷地の占有を承継することによって、第三者の土地賃貸人に対する退去義務の存否に関する紛争という型態をとって、右両者間に移行し、第三者は当該紛争の主体たる地位を土地賃借人から承継したものと解される」ということである。
 実体法関係においては、土地所有者の賃借人に対する法的権利と建物の賃借人に対する法的権利は同じではないが、しかし、社会生活上の事実として紛争をみるとき、建物退去という大きな経済的損失の可能性のある者がもっとも訴訟追行に熱心であるという事実に鑑みて、紛争の主体と呼んだのであろう。当事者適格という従来の法律構成中心の思考から、観点が移動してきたといってもよいであろう。
 3)義務承継人に対して訴訟引受けの申立てをするのに予定されているのは、権利者側を予定していたと考えられる。けだし被承継人は48条の規定では権利者側の承継があったとき、被承継人は相手方の同意を得てその訴訟から脱退するとしており、義務承継人の訴訟引受けについては、50条で「裁判所は、(当事者の申立てにより)決定で、その第三者に訴訟を引き受けさせることができる。」と規定しているのみで脱退についての規定はなく、当事者が誰かについては規定上明らかではないからである。
 もっとも①のように前主と承継人の間に承継の有無について争いがある場合に、裁判所が決定で決することが規定されていることに鑑みると承継人の前主による申立を認めてよい。手数料が異なるのは、権利主張者には訴えの利益があるからであり、義務の承継人には、いわば債務不存在確認の訴えとでも解さない限り申立て手数料が高額になることは考えられない。理由にはならないであろう。
 4)承継原因は訴訟要件かそれとも審判の内容かという問題であるが、従来の考え方に従えば、承継原因は訴訟要件である(裁判所が承継を認めるか否か決定で決する)。しかし、本件(unit22)のように、紛争の主体的地位の有無が問題になるとき、主体的地位は当事者を交えた審理を経なければ無利であると考えるとき、請求棄却判決がより現実的であろう。

Q4
 訴訟承継によって、訴訟状態は、従来の当事者から新たな当事者へと引き継がれるのが原則であるが、①承継人への請求の趣旨および請求の原因の範囲において、その訴訟物は従来の物とは別個である(連続性はあるにせよ:紛争の主体的地位の承継)から、その範囲内で変更される。また、手続保障の視点より、従来の当事者のなした自白やその他、馴れ合い的な訴訟行為に引受人は拘束されないと解すべきである。

1)請求共通説は、「引受承継により従来の当事者間の請求と共通の請求が引受承継人と相手方の間に当然に受け継がれる」とするから、従前の訴訟状態に拘束されると解されることが前提になっていると言えよう。条文上の根拠としては、たとえば49条の時効中断の効果があげられる。実質的にも、時効中断のような効果が認められないと不都合が生じる。
2)不都合な点は、地位継受の場合に、Zが前主の自白に拘束されるかといったときに問題となる。参加承継をした場合については、このような不都合は指摘されていないが、しかし、当事者の手続保障という面からは問題はないとは言い切れないであろう。訴訟状態への拘束について、そもそも請求提示説に立つとき、請求の趣旨および請求の原因が独自に定立されなければならないから、その拘束も緩やかなものとなる。
3)前述のとおり、拘束は当事者の手続保障の観点から緩やかに(承継人を拘束しないと)解すべきである。

再審と判決の無効 unit23

Q1 
 1)再審の訴えとは、手続の重大な瑕疵など限られた一定の事由に基づき、確定判決の取消しおよび事件の再審判を求める特別な不服申立方法であり、再審事由は338条1項各号に規定されている。そこで、再審の訴えは、同一事件につき、下級審の終局判決と、それに対する上訴を却下または棄却した上級審の終局判決とがともに確定しているときは、個別に再審の対象となるのが、本件では控訴はされていないので、第一審裁判所に申立てる。不服の利益を有するのは当事者、その承継人、補助参加の利益を有する者(43条2項45条)。再審事由を知った日から30日以内に提起しなければならない。訴状には、請求の趣旨として、再審の訴えである旨(その対象となる裁判を明記し、判決を取り消す)を記載し、請求の原因として、再審事由に該当する事実を記述する。管轄は、不服申立の裁判所の専属管轄である。
 2)刑事告訴。被疑者死亡のまま告訴することはできないので、有罪の確定判決を得られなかったことを証明する(最判昭和42,6,20)。
  再審の訴えがその要件を満たさなければ、訴え却下。
  再審請求の終局判決にもその審級に応じた上訴がある。
 3)③および④を通じて、Xが悪意をもってYを欺もうにおとしめている点。詐欺罪が成立するから、338条1項5号。ただし、同2項で確定判決がないので、有罪の確定判決を得られなかったことを証明する(最判昭和42,6,20)ことが必要である。
再審決定に対する不服申立方法は即時抗告である(347)。
 4)原裁判の再開・続行として審理する。犠牲自白は成立しないと解さなければならないが、そもそも自白の撤回は、再審事由と同じ犯罪行為に起因しているので問題ない。形式的には自白の撤回が主張されるべきであろう。
 5)Ⅰの①と②が認められた場合は、YがXの請求に対してどのように答弁するかが、問題となる。再審決定と再審を2段階(2元説)の手続と解すると、弁論が再開され、そこではじめてYが答弁するので、その答弁に左右されることになる。①と②が認められなかった場合も同様である。
 6)訴訟物は何かについて、一元説は、再審の申立てそものを訴訟物と考えているようであるが、本件のような事案では、詐欺そのものが再審開始決定後の審理における訴訟物と考えることはできない。訴訟物はXが訴え提起において請求の趣旨および請求の原因で主張したものである。

Q2
 1)もちろん既判力には抵触する。けだし、Yが控訴審において主張した事実および第一審で主張した事実は、すべて既判力の基準時たるXがYに対して訴えた訴訟の基準時以前の事実(Xは、Yに対して債権を有している、訴訟外で和解が成立したとのYの主張およびXが訴えを取下げる旨約束したという主張は、Y側の抗弁事実であるが、かかる抗弁をYが提出しなければ、後訴において主張しえない)であり、本来なら既判力によって遮断されなければならない事実だからである。
 2)その判決の成立過程において、訴訟当事者が、相手方の権利を害する意図のもとに、作為または不作為によって相手方が訴訟手続に関与することを妨げ、あるいは虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔する等の不正な行為を行い、その結果本来ありうべからざる内容の確定判決を取得し、かつこれを執行した場合においては、みぎ判決が確定したからといって、そのような当事者の不正が直ちに問責しえなくなるいわれなく、・・・(正義に反する行為によって確定判決をおよびその執行を得た場合)、「これによって損害を被った相手方は、かりにそれが右確定判決に対する再審事由を構成し、別に再審の訴えを提起しうる場合であっても、なお独立の訴えによって、右不法行為による損害の賠償を請求することを妨げられないものと解すべきである」。
 この判決の問題点は、再審の訴えによらずとも、別の訴えにおいて、既判力のある判決の効力と矛盾する、不法行為による損害賠償を提起できるちょしたのであるから、判決の確定効および再審の制度を反故にもしかねない、重大な変更を認めたものということができる。
 3)その判決の成立過程において、ⅰ訴訟当事者が、相手方の権利を害する意図のもとに、作為または不作為によって相手方が訴訟手続に関与することを妨げ、あるいは虚偽の事実を主張して裁判所を欺罔する等の不正な行為を行い、ⅱその結果本来ありうべからざる内容の確定判決を取得し、かつⅲこれを執行した場合、とあるので、YはⅠの①、②、③、④、の事実を主張すればよい。
 4)請求意義の訴えを起こすと、前述のⅲの要件はまだ充足されたことにはならないから、そのままでは最高裁の示した要件を満たしていることにはならない。しかし、請求意義の訴えを退ければ、この要件をみたすというようなとき、Ⅱ③の事実を主張することで足りると解釈することは可能であろう。

Q3
 1)①甲と乙が通謀して、第三者丙に対して金銭債権を有すると称して丙に対する債務名義のへん取しようとの意図の下に、②甲は丙あてにその住所を真実に反し、乙方丙として支払命令ないし仮執行宣言付き支払命令などの申立てなどの訴訟行為を行い、乙が丙を装って受領し、③なんらの不服申立をしなかった場合において、その債務名義の効力は丙に対しては及ばない。
 この判例ルールは債務名義が確定判決によって取得された場合と支払命令の場合で区別する言われはない以上、確定判決の場合にも及ぶと考えてよい。
 2)微妙なところである(笑)
  けだし、43年のルールは、住所などにおいて虚偽の記載をし、それによって当事者が関与することもないまま、支払命令は確定、債務名義が取得されてしまった場合である。それゆえ、43年の判決でも「(丙は)防御の訴訟行為をする機会を完全に奪われているのである」からであり、本件のように、YがXの言動を軽々しく信じたために判決が搾取された事案とは、少々様相を異にしていると構成することも可能だからである。
 3)債務名義の基礎となっている確定判決が再審の訴えによって、その請求権が棄却された場合、それ以前に執行された競売による競落人の権利はどうなってしまうか、という問題である。債務名義が無効と後に判断されると競売において無権限の者がなした競売行為ということで(他人物売買における担保責任はともかくとして)、Aについては権利の遡及的喪失を認め、Yの所有権を認め移転登記手続請求を認容すべきか、それとも二重譲渡類似の状態が発生していたと解することで登記を取得したAを保護すべきか、という問題である。登記に公信力を認めないように、判決たりとも再審で覆る以上、かかるリスクは競落人が負担すべきであって、真の所有者が負担すべきではないであろう。むしろYが所有権を回復できる要件を厳しくすべきではないか、と考える。
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by civillawschool | 2006-07-06 12:21
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