大学院民訴レジュメ

IRAC方式による判例百選 その1 判例22まで

IRAC方式による判例学習方法

民事訴訟法Ⅰ     
  学籍番号          氏名               

百選判例 1 訴訟と非訟
Issue(事件の概要):別居申請中の妻Xが夫Yを相手に夫婦同居の審判を申し立てたところ、福岡家裁はこれを認めた。
 Yはこれに対して高裁に即時抗告したが、棄却されたので、最高裁へ特別抗告を申し立てた。理由は、非公開の決定手続である家裁の審判によって民事上の義務を負担させるのは、公開の法廷において対審の原則に従い裁判を受ける権利を侵害し、憲法32条82条に違反する、というものであった。
Rule(法):権利義務関係の存否そのものを確定するためには、訴訟手続によらなければならないが、権利義務が存在することを前提として、その具体的内容を形成することは、非訟手続によることが許される。ただし、争訟的非訟事件にあっては、係争利益にかかわる利害関係人が対立するので、裁判所は判断を下すにあたり、利害関係人の実質的な手続保障(主張・立証の保障)に配慮しなければならない。
Analysis(分析):訴訟手続は権利義務関係の存否を確定、非訟手続は、権利義務の存在を前提にその具体的内容を形成するものという一般的図式が果たして妥当なものか疑問がないとはいえない。特に争訟的非訟事件にあっては、大いに疑問であり、それゆえ、本件では、実質的に利害関係人(訴訟にいうところの当事者)に実質的な手続保障が与えられていたか否かで判断すべきではなかったか。
Conclusion(結論):最高裁決定に疑問!



                
百選 判例5 訴額の算定

Issue(事件の概要):ホテルの営業委託契約があるにも関わらず、被告が委託契約が終了したと主張し、訴外C(ホテルの総支配人)を解雇したので、原告ら(受託者)が営業受託者であることの確認とCが総支配人であることの確認、受託業務の妨害禁止などを求めた訴えで、委託料が営業収益を基礎としているとき、訴額は算定不能だから貼用印紙を500円(原行1000円)としたことの是非が争われた。

Rule(法):事物管轄(訴額により裁判所が簡裁か地裁が決まる:90万円以上なら地裁)の決定は訴額によって決まる。訴額は原告が決定する(処分権主義)?訴額は訴えで主張する利益を算定したもの。非財産上の請求はその価格を算定できないから90万円を超えるものとみなしつつ、95万円として計算する。
 訴えで主張する利益はどうやって計算するか?経済的利益説と規範的解釈(裁判所の裁量)に従うとする規範的訴額説が対立している。

Analysis(分析):訴額の決定による印紙額の出捐には二つの機能がある。まず、①裁判所にとっては訴訟に関わる経費の少なくとも一部を当事者に負担させる。訴訟に要する費用は必ずしも印紙の額と呼応するわけではないが、(1円の訴額の訴訟でも大変にコストのかかる訴訟もあれば、数億のものでも簡単に済んでしまうものもある)、少なくとも明瞭なコスト設定である。②このコストを当事者に負担させる(原告が最初出捐し、最終的には敗訴者が負担)ことで乱訴を防止し、また自身の咎を知っている被告がむやみに訴訟を提起させ、争わせることに対する一定の抑止力にもなる。

Conclusion(結論):本件では、訴額を低額に抑えてしまうことは、②の視点から好ましいものではない。しかし、係争利益がいくらになるか分からないまま、訴訟の準備をさせることは①の明瞭性の視点からは、好ましくない。結局、本件の判決では①よりも②の視点を優先させ、訴額を原告が予定したものよりもはるかに高額とすることを認めたものであるが、それが不当に高額なものでない限り、認容すべきものと考える。

百選判例6 移送

Issue(事件の概要):約款中にある合意管轄(専属管轄の合意)が被告にとって不都合であるとして被告がした移送の申立ての是非


Rule(法):土地管轄は、①被告の住所地②債務の履行地が原則だが、合意によって管轄を指定できる。このとき、その土地管轄以外のものを認めないとするものを専属管轄という。当事者主義の原則から導かれる。


Analysis(分析):土地管轄に関する規定は、①当事者の便宜(原告の住所地としなかったのは、訴えられる方の不利益を考慮したもの)、②人証調べの負担が少ない、などを考慮しているものであり経験則を法文化したものである。土地管轄は経済的、時間的負担を考慮した手続的規定であるが、当事者が専属管轄でこの負担を一方当事者にのみ有利とするような合意をした場合の、その合意の有効性の問題である。
 また、これが普通取引約款により締結されているが、こうした定型的契約では当事者一方の意思が充分に反映されていないことがある。

Conclusion(結論):個別の事例に照らして、人証調べの必要性の有無、移送した場合の相手方の負担などを総合的に考慮して、当事者の申立てをまって移送を決すべきか否かを判断すべきである。




民事訴訟法Ⅰ     
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百選判例 10 氏名冒用訴訟  
Issue(事件の概要):YがXに対して起こした膳訴で勝訴し、これに基づいて強制執行しようとしたところ、Xが自分は氏名を冒用されたとして、また前訴における代理人に訴訟代理権を付与したこともないから、法律の規定に従って代理されていないとして(338条1項3号か?)、再審の訴えを提起したのが本件である。
 原審は、Xの主張を認めつつ、Xはこれによって訴訟当事者の地位を取得するものではないから、前訴判決の効力はXに及ばないから、従ってなんらの救済を講じる必要はないので再審事由にあたらない、と判示した。
 
Rule(法):確定した判決や訴訟継続中において、当事者は誰か?という問題である。実質的当事者説はその訴訟における当事者らしく振舞った者や、本来当事者にふさわしい適格性を備えていながら(当事者適格)、訴状には自身の名が記載されていない者が本来の当事者であるとする(原審の見解)。これに対して形式的当事者説は、訴状に記載された者(訴訟継続中)、判決の名宛人(判決文に記載された者)を当事者とするのであって、これを認めないと、判決の効力が誰に及ぶのか明瞭でなく、混乱すると主張する。

Analysis(分析):実体法上の意思主義の下では、契約にまったく関与しなかった、そうしてかかる意思がなかった者にその契約の効力が及ぶことは原則としてはない(この例外が表権代理の法理)が、このことを訴訟にまで拡張すると、自分が知らない間に判決が出てしまった場合には、その判決は無効なもので、その効力が自身に及ぶことはない、ということになる。しかし、それでは判決の社会的通用力、信頼は失われ、強制執行にも支障をきたす。当事者の人定(これは刑事訴訟法上の概念であるが)は、裁判所の職責であるなら、かかる確定した判決は被冒用者によって再審の訴えによってその効力を否定されなければならないであろう。

Conclusion(結論):大審院の判決(形式的当事者説)に賛成である。





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百選判例11 死者を当事者とする訴訟   
Issue(事件の概要):XはYを被告として訴えを提起した。この訴状はYの妻Aが受領していた。裁判では被告不在のまま、Xが勝訴。この判決送達において、Yが訴え提起前にすでに死亡していたことが判明した(判決文の送達が出来なくなると判決は確定しないことになる)。そこでXは、Yをすでに家督相続していたZに対して訴訟手続きの受継を求め、さらに原判決を取り消し、原審裁判所に差し戻す旨の判決を求めて控訴した。
 控訴審裁判所は死者を相手とする訴えは訴訟関係が成立していないから、成立していない訴訟関係を受継することは出来ないとして、原判決を取消し、訴え却下の判決をなした。
 Xが訴状補正のために事件を第一審に差し戻すべきであるとして、上告。

Rule(法):形式的当事者概念(とこれをとる表示説)においても、実在しない(すでに存在しない者も含む)者を相手として訴訟の効力は無効(訴訟そのものが成立しない)と考えるべきもののように思われる。しかし、時効の中断や、訴訟費用(主として貼用印紙代)のためには、原告のために訴訟の継続を認めてもよいのではないか、という議論が当然におきてくる。これが本件における原告(上告人)の主張である。

Analysis(分析):訴訟の相手方に関する情報について、訴えを起こそうとする者が常に正確な情報を有しているとは限らない。契約時に通称を使用していたり、本件のように、契約後に死亡していることを知らずに、訴えを起こしてしまうことはままあることである。かかる場合に、それまでにしてきた訴訟行為をそもそも成立していないとして無効にしてしまうのか、それとも訴訟の受継を認めるべきかという問題である。訴訟の受継を100%認めてしまうことには問題もある。新たに当事者となった者が、それまでの訴訟の過程に参加していなかったために不利な扱いを受けることがあってはならないからである(手続保障の問題)。具体的には攻撃防御の機会の保障と進級の利益がここでは問題となる。

Conclusion(結論):大審院判決のように訴状補正を認め第一審に差し戻すべきである。







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百選判例 13 法人でない社団の当事者能力  
Issue(事件の概要):被告Yは預託金会員制ゴルフ場の運営会社であり、原告Xはゴルフ場の会員が組織する相互の親睦等を目的とするゴルフクラブである。X とY との間にはY が作成する書類などの閲覧ができる旨の協約がある。これに基づいてXが書類等の閲覧を求めて起こしたのが本件である。
 第一審裁判所はXには当事者となる能力がない(民事訴訟法代29条には、法人でない社団などでも、代表者ないし管理人の定めがあるものは、その名において訴えまたは訴えられることができる、としている)とした。
Rule(法):







Analysis(分析):







Conclusion(結論):






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百選判例 15 入会団体の当事者適格  
Issue(事件の概要):入会団体に当事者適格があるかが、争われたケース:江戸時代以降、部落の入会地としてきたが、昭和40年以降転出転入者の増加にともない、入会地の管理関係の混乱をさけるため48年12月16日時点での入会権者をして共同所有者として資格のある部落民全員の合意の下、従来の慣習をもとに規約を制定し、組合を設立した。ところが問題の土地は大正4年当時のO部落の戸主24名を共有名義の登記がなされている。この戸主の相続人Y1Y2に対してX組合が土地の所有権が組合の構成員の総有であることの確認を求めた。第一審は民訴法46条を根拠にXに当事者適格を認めた。控訴審はこれを否定した。
Rule(法):当事者適格とは、訴訟の主体となる資格(特定の請求について当事者差として訴訟を追行し、本案判決をもとめる資格)をいう。
 形式的当事者概念:訴状(答弁書)に記載され、あるいは判決に当事者と記載されたものが当事者である。
 実質的当事者概念:訴訟において当事者らしく振舞った者とする説や、訴訟物との関わりで当事者としての利益を有する者を当事者とする説がある。
 当事者適格は実質的当事者概念からだれが紛争の当事者となるのかが、適当かという点に関する議論である。当事者として判決をすることが無意味な者の訴訟を排除する機能がある。
 正当な当事者は誰か、ということについての一般的基準については学説が分かれている。訴訟物を基準に考える説、判決の結果によって法的利益が左右されることを考慮したりする説がある。法的利益の主体という概念を持ち出す学説もある。
 訴えの類型ごと(給付、形成、確認)に考察していこうとする動きもある。
Analysis(分析):法人格のない者は不動産登記をすることができないから、入会団体が所有権移転を求めていたならば(給付の訴え)、当事者適格は認められないであろう。しかし、本件は所有権の確認を求めたケースである。民事訴訟法46条は法人格のない団体であっても当事者能力を認めていること、その趣旨として紛争の解決には社会的な実体に考慮した解決が希求されていること(紛争を複雑化、長期化させることなく解決することに資するか)に鑑みると、当事者適格を認めた最高裁の判断は正しかった。
Conclusion(結論):判決に賛成




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百選判例 16 選定当事者   
Issue(事件の概要):X1~X17らは訴外Aに対して繊維製品を販売し、売り掛け債権者を有する者であり、いずれも繊維製品の販売を業とする者である。Aは営業不振、不渡り手形を出し、休業している。Y1,Y2はXらにこの債務の連帯保証人となる旨の誓約書をXらの代理人に差し入れた。XらはX1を選定当事者として選定したが、Yらがこれを争った。Yらの主張によれば、Xらそれぞれの有する売掛債権はその発生原因を異にする別個の債権であるから、「同一の事実上または法律上の原因に基づくもの」ということはできない、というものであった。(現行の規定では「共同の利益を有する多数の者」)
Rule(法):選定当事者の制度は改正当初、和製クラスアクションといわれたが、予想したほどの効果はあげなかった。共同訴訟人となるべき者として前提としていたのは、クラスアクションのように「法律上、事実上の同一の原因」をして消費者訴訟のような大量被害に対処するものを予定していたのである。しかし、訴訟代理人を絞込み共同訴訟の制度を利用すれば選定当事者の制度を利用しなくとも、事実上問題は解決できたのである。そこで民事訴訟法が改正され、訴訟継続後に、第三者が当事者になっている者を選定することができる、との規定ができ(30条2項)、これによって、その活用範囲は飛躍的に広がった。
 しかし、「共同の利益」(同一の事実上または法律上の原因)の概念はあいまいなままである。①多数者相互に共同訴訟人となりうる関係があり、かつ②各人のこれに対する請求が主要な争点=攻撃防御方法を共通にするというのが古くからの判例であった(昭和15年4月9日)。 
Analysis(分析):問題は連帯保証契約であっても、各債権者の被保証債権の発生原因はそれぞれ異にする別個の債権であるならば、同一の事実上または法律上の原因といえるか、という点である。選定当事者の制度が、大量に発生する消費型契約事件の処理を念頭に考えれば、本件のように消費社会型訴訟とは必ずしも言い得なくとも、各人の主要な争点=攻撃防御方法が共通か、という点から選定当事者を認めるべきであろう。
Conclusion(結論):最高裁判決に賛成









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百選判例 17   法定訴訟担当
Issue(事件の概要):訴外亡Aは本件土地をBに遺贈する、遺言執行者をYおよびCとする旨お公正証書遺言をなし、その後死亡した。Y,C,B間でBを登記権利者とする登記(遺贈を原因とする所有権移転仮登記をしたが仮登記のままとどまっていたもよう)がなされた。遺言について知らなかったAの養子XおよびAの妻Dは、本件土地の占有を開始した。その後、XはDの相続分を譲り受け、相続を原因とする所有権移転登記(これは本登記であろう、仮登記があってもこれと異なる本登記は可能だから)をなした。XはYに対して公正証書の偽造を主張し、第一の請求として主位的に遺言無効確認、予備的に取得時効を主張し、第二の請求としてBの仮登記の抹消を求めた。Y反訴、Xの所有権移転抹消を請求。
 第一審、Xの請求認容。反訴棄却。原審は、本訴請求、反訴請求とも棄却。公正証書は適正、しかしXの時効完成がその理由。登記抹消請求も認めなかったのは、登記権利者はBであるからBに対して請求すべし、というのがその理由。Xは、遺言執行者は訴訟追行権を有するとして上告。
Rule(法):法定訴訟担当とは、第三者が他人の権利関係について訴訟追行権を行使する場合のことをいい、法の規定による。第三者の権利保護を目的とする場合と職務上の当事者に区分される。遺言執行者は職務上の当事者と解される。
Analysis(分析):問題は、遺言執行後において誰を当事者として仮登記抹消を請求すべきか、この場合にも遺言執行者は当事者適格を有するのか、それとも抹消登記請求においては、抹消義務を負うのは登記名義人か、という問題である。
Conclusion(結論):遺言執行後、遺言執行に関係のないことにまで遺言執行者に法定訴訟担当を認めるべきではないからである。それゆえ、訴え却下(当事者適格なし)とした最高裁の判断に賛成






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百選判例 18 紛争管理権   
Issue(事件の概要):Xら住民によるY電力会社の火力発電所の操業停止と埋立区域の現状回復を求めた訴訟である。Xらは環境被害を根拠に訴えたがその中で、自らが私的権利を侵害され、私的利益を追求しているものではなく、地域の環境保全を目的として、地域の代表として本訴を提起した、と主張。
Rule(法):法定訴訟担当に紛争管理権なる概念を導入すべき、との見解が成立するかという問題である。訴訟提起前の紛争の過程で相手方と交渉を行い、紛争原因の除去につき持続的に重要な役割を果たしている第三者は、訴訟物たる権利関係についての法的利益や管理処分権を有しない場合にも、紛争管理権を取得し、当事者適格を有するに至るという見解の成否の問題である。
Analysis(分析):環境権のように広く地域住民が享受する利益、あるいはさらに後の世代まで含めて受益者と解する利益の保護に、法定訴訟担当を定めて紛争の一回的、恒久的解決がはかれないか、という問題である。その必要性はある。しかし、紛争管理権のような形で解決を図ろうとすると、かかる訴訟の進行を知らなかった住民や、馴れ合い訴訟もおきかねない。米国のクラスアクションのように広告され、代理人(日本なら法定訴訟担当者)の資質を裁判所が判断するなどの手続きが確定していないところでは、当事者の手続保障の面からは問題があると言わざるをえない。
Conclusion(結論):紛争管理権を認めなかった最高裁の判断にしかたなく賛成







民事訴訟法Ⅰ     
  学籍番号          氏名               

百選判例 21 意思能力    
Issue(事件の概要):Y(被告・控訴人)が相手方訴訟代理人の説得にその意味もよくわからず、控訴取下書に署名した。Yの意思能力に問題があり、後に準禁治産宣告を受けている場合、この者のなした控訴取下げの訴訟行為は無効と扱うべきか。その場合、そもそもこの者のなした控訴行為は無効にならないのか?
Rule(法):訴訟能力とは、訴訟当事者として自ら訴訟行為をなし、相手方や裁判所の訴訟行為を受ける能力をいう。法(民訴28)は「民法その他の法令に従う」と規定している。それでは行為能力のない者(制限能力者)はどのように扱われるのであろうか。未成年者や成年被後見人は訴訟能力がないものとして扱われる。婚姻擬制や営業の許可による成年擬制は行為能力があるから訴訟能力も肯定される。行為無能力者は民法では親権者、後見人、によってそのなした行為を補完されるが、訴訟においてはこのような考え方はとるべきでないといわれている。それは、もし訴訟行為においても、かような事後的な補完を認めてしまうと訴訟そのものが、手続的に不安定となるからである(講義101頁)。
Analysis(分析):事実上意思形成能力に問題のある者のなした行為でも、控訴そのものは有効で、控訴の取下は無効と解することはできるであろうか。原審は実質的な考慮から、控訴そのものは本人に不利益とならず、控訴の取下げは不利益になる点を考慮したようである。しかし、それでは手続の安定に欠けることにならないか?しかし、訴訟無能力者による、またはこれに対する訴訟行為も、単独で訴えを提起しあるいは訴状の送達を受けた訴訟無能力者のなした控訴(上訴)の提起は有効と解すべきといわれている。手続の安定よりも無能力者保護を優先すべきとの発想からであろうか。
Conclusion(結論):最高裁の判決に賛成








民事訴訟法Ⅰ     
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百選判例 22 訴訟能力   
Issue(事件の概要):XがYを相手に離婚および親権者の指定を求めて訴えを提起するとき、Yが昏睡状況にあるならば、Xの求めによって特別代理人の選任によって、訴訟を継続することができるか、それとも禁治産者の申立てを先にし、後見監督人を代理人として訴訟をすべきか。
Rule(法):訴訟能力とは、訴訟当事者として自ら訴訟行為をなし、相手方や裁判所の訴訟行為を受ける能力をいう。訴訟能力を欠く場合、裁判所は補正命令を出す(341前段)。
訴訟能力は職権調査事項と解されるから、すでに訴訟が進行していれば追認の可能性をさぐり、将来にむかっては補正による欠缺のない追行を確保するねらいがある。
訴訟能力の制度は当事者の手続き保証(正当な裁判を受ける権利)を保障するとともに、裁判が適正に遂行されることで、後にその手続きが無効となることで手続きの安定が損なわれることのないようにするものである。
Analysis(分析):当事者の手続保障の視点からは、特別代理人の選任では不適切であろうか?それとも後見人選任,後見監督人選任という手続きを経るべきであろうか?
 かかる場合の離婚は本来代理になじまないと言われてきたし、そのとおりであろう。しかし、それでは相手方の離婚請求が不可能となってしまう。そこでまず後見人を選任(民法7条)、ついで後見監督人が選任されることになると、この者を代理人に訴訟するのであれば、継続的な事務を扱う者が代理するので、一時的な代理人よりも、本人の保護になるであろうことは容易に推測される。
Conclusion(結論):最高裁の判決に賛成
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by civillawschool | 2005-12-05 00:37
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